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オダピン社長ブログ

2025.12.14【謀略の王国 ONE PIECE】2023.5.28一部改訂再掲

【謀略の王国 ONE PIECE】2023.5.28一部改訂再掲

〜家庭内通貨で学ぶ経済学〜

私には、息子が4人いるのですが、次男が昨日から実家に来ています。

今朝、私の父(彼にとってのおじいちゃん)の墓参りに行ってきました。4人の息子の中では、一番風貌が父に似ているような気がします。 

#彼は直樹さんに似ていると言われるそうです

道すがら、「コンビニ寄っていい?」と聞くので「セブンがそこにあるぞ」「いやローソンじゃなきゃダメなんだよ」と。 で、ローソンによって何を買うかと思ったら、これ。

「謀略の王国 ONE PIECE」

カードパックです。聞けば一人5パックまでの購入制限付き。 東京ではもう在庫がなく、田舎ならあるとにらんで買ったそうです。しかも、このままメルカリで売れば、定価以上で売れる、と。

 #部下のモチベーションを上げるために使うそうです 

#結果出したら1パックあげるぞ

その時に、不意に彼がこう切り出しました。 「そういえば、父さんが昔『30分券』って作って俺たちをだましていたよね」

懐かしい話が出ました。 これは何かというと、4人の息子たちがまだ小さかったころ、彼らの最大の願いは「まだ起きていていい」という許可でした。8時か9時になれば強制就寝。その中で「起きていていい権利」こそが、彼らにとっての至高の報酬だったのです。

 #他の兄弟が寝せられたのに

 #自分だけ起きている優越感はプライスレス

その心理を逆手に取り、私が発行したのが家庭内通貨『30分券』です。 これがあれば「30分夜更かししていい」という許可証。表向きはご褒美ですが、私の真の狙いは「経済の仕組みとお金の価値」を実地で叩き込むことにありました。

ここからは、父であり「中央銀行総裁」である私による、実務教育の始まりです。

まず、労働の対価として通貨を流通させます。

 ・買い物に行って来たら1枚支給

 ・肩もんだら1枚支給 

・テストで80点取ったら2枚支給

彼らは、なんとしてもこの券が欲しくて、労働し、貯蓄に励みました。 そして、いざ彼らがこれを行使(消費)しようとすると、「明日は早いからダメ」と言って適当にごまかす(出金制限をかける)。しかし、信用を失わないよう、何回かに一回は「今日は特別に2枚使っていいよ(規制緩和)」と言って、この紙切れに効力があることを刷り込むのです。

これは投資詐欺の手口であり、経済の初期段階と同じです。最初だけ少し配当を出して「この市場は儲かる・機能している」と信じ込ませる。 

#ポンジスキームの実演

さらに、カードゲームでこの券を賭けて私と戦わせます。もちろん、大人の知恵で子供をカモにします。子供は、元手(カード)がないと市場に参加できないので、さらに労働して貯める意欲が湧きます。 私はこうやって、市場に流通する『30分券』の価値を暴落させずに、コントロールし続けたのです。

 #実体経済の管理そのものです

さあ、そうはいっても市場にこの券がダブつき始めます(流動性過剰)。 そこで私が打った次なる金融政策は……

高額紙幣『300分券』の発行です。

少しだけ派手な色にして印刷しました。交換レートは「30分券が15枚」で「300分券1枚」。 計算すればわかりますが、明らかに不公平なレートです。しかし、 「今回、特別に10枚だけ発行する!」 と造幣局である私が宣言すると、 「俺が!」「俺が!」……と群がってきて、即完売。 こうやって、30分券の余剰を吸収し、「信用」を維持していったのです。この金融引き締めは結構使えて、最後は「3万分券」まで発行しました。

もう完全なインフレ状態です。 そこで中央銀行総裁の私が断行したのは何か? そうです、**デノミネーション(通貨単位の切り下げ)**です。

3000分券を回収し、「新30分券」として再発行したのです。 息子たちは意味が分からずに「新券がほしい!」と言って飛びつき、自分たちの保有資産の価値を自ら1/100に希薄化させていったのです。 

#今でも息子たちと笑っています 

#父さんにだまされたと

ところが、市場崩壊はある日突然訪れました。 新券を10万分ぐらい(!)内部留保していた長男が、ついに「本質」に気づいたのです。

「これって……何の意味があるのか?」と。

そして彼は、弟たちが持っている**「リアルのデュエマカード(実物資産)」と、私の発行した「3000分券(不換紙幣)」**との交換を始めたのです。 市場に、長男が放出した大量の「新30分券」が出回り、あっという間に紙幣の信用が暴落してしまいました。

「なんだ、これって結局、紙切れじゃん」 「父さんに『寝なさい』って言われたら使えないじゃん」

全員が気づいてしまったのです。 貨幣は「価値あることに使える」という**信用(トラスト)**があって初めて成り立つもの。 中央銀行(私)の恣意的な運用に嫌気が差した瞬間、その価値は無になります。

長男による大量の売り浴びせによって、私の家庭内通貨経済圏は崩壊しました。 これって、今の日本経済にも似ていますよね。みんなが「円」の価値を信じて、銀行に大量の貯金をしている。その間に、円の実質価値は相当落ちているのに。 30年前にアメリカのS&P500を1000万円買っていた人は、その価値は今1億円以上。「円」のまま持っていたら、1000万円のまま(実質価値は目減り)です。

 #意味わかりますか

まあ、この壮大なシミュレーションを通して、私は子供たちに「経済の死に方」まで教育したことになったのです。結果的にですが。

通貨暴落後、呆然とする子供たちを集めてこう説きました。

「いいか、『お金』というのは信用の裏打ちが無いと意味がないんだ」 「だまされても、損をするのは自分だ」 「人が欲しがるから自分も欲しい、ではカモになる。自分で考えなさい」

これをどこまで覚えているかは定かではありません。 しかし、現在の彼らはというと……

長男と次男は「入った金はすぐ使う(通貨の減価を肌で知っている?)」タイプで、たぶん貯金はほとんどないはずです。 一方で3男と4男は貯金をして、どうやってその資産を増やすか考えているみたいです。

まあ、面白いですね。いずれも、一つの人生です。 日曜日の朝に、久しぶりに我が家の「経済教室」を思い出して書き連ねてみました。

良い日曜日をお過ごしください。