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オダピン社長ブログ

2022.09.20ちょっと難しい経営の話

ちょっと難しい経営の話
当社の経営管理部の部長から、
「会社所有の車をリースに切り替えたい」という提案がありました。
今までは教えてこなかったのですが、
これからは「社員にも説明する」という方針に変更したので、説明します。
#ただし社員も勉強しなくちゃだめだよ
ほとんどの会社では、仕事に車って使いますよね。
その車って、形態に2種類あって「社有車」と「リース」があります。
いろんな経営者から「どっちが得なんでしょうか」と聞かれます。
多くの人は「リースは経費になるから、そっちが得だよね」と言います。
→利益が出ていれば、利益の圧縮になり納税が減るから
実は話はそんなに単純ではないので、説明します。
条件を以下にします。
車購入の場合
車両代金+7年間の維持費(タイヤ、車検など)を200万とします。
減価償却は7年で定額とします。28.6万/年
《経理処理》
BSの現金が▲200万、車両が+200万になります
PLには原価償却費▲28.6万です
リースの場合(タイヤ車検代なども込み)
月に2万4千円とします(7年間で200万)
リースは解約できないものとします。
《経理処理》
単純にPLの経費が28.8万(2.4万*12か月)増えるだけです
これで、7年間の払う総額は200万と同じになります。
私の考えとして、基本的にリース屋さんも利益があるのだから、
間に挟まない方が得だ、というスタンスです。
ただし、リース屋さんは大量購入しているので、
購入価格そのものが安いと言うことがあります。
上記で言うと、当社なら200万かかるがリース屋さんだと180万という話はあり得ます。では何が違うのか?
#ここから話が少し難しくなる
まず、上記の「リースは経費になるから得だ」は間違っているのがわかりますよね。
リース料という経費は無いのですが、
「減価償却」という目に見えない経費が発生します。
ただし、そのために最初に200万というキャッシュが必要ですが。
利益の圧縮効果は変わりません。
ここで言えることは
・経費による利益圧縮効果は同じ
・購入の場合は最初に「200万」という金がキャッシュアウトする。
ただしその後はお金が出ないで、原価償却という経費のみ発生する。
リースの場合は7年かけて200万が出ていく。
イメージは
出ていくお金と(経費)
    購入     リース(常に経費)
1年目 200万(28.6万) 28.8万
2年目  0(28.6万)  28.8万
3年目  0(28.6万)  28.8万
4年目  0(28.6万)  28.8万
5年目  0(28.6万)  28.8万
6年目  0(28.6万)  28.8万
7年目  0(28.6万)  28.8万
誤差(28.6≒28.8)は無視してください
3年後の状態を見ます。
車購入の場合
BSの車の価値 200-(28.6*3)=114.2万
リースは7年間払うだけです。ここで、購入の場合は違います。
不要になったら、売ることができます。
3年後の価値が114.2万なので、それ以上で売れば利益、それ以下なら損失です。
ただし、最初に200万の投資をしたおかげで、
その一部を「売却」という形で回収できるのです。
リースの場合は、毎年28.8万を払い続けます。
(極端な話、その車が使えなくなっても)
実は最初に、車を買う場合は
《BSの現金が▲200万、車両が+200万になります》
と説明しましたが、実務の場合は借り入れて買うので以下になります。
BSの借入金が+200
現金が+200
ここで200万の車を買う
現金が▲200
車両が+200
つまり、車両200万=借入金200万
という状態になるのです。
もちろん、この借入金は7年間かけて毎年28.6万づつ返さなくてはいけないものです。
#勘のいいひとならここで気が付く
#結構衝撃ではないですか
そうなんです。リースで車を調達するとは
「リース会社から借り入れて車を買う」と同義語なのです。
ただし、その7年間だけですが。
7年たつと、「どれぐらいの価値があるかわからない車」をリース会社に返却します。
まだ乗れるなら、もったいない。処理にお金がかかるならラッキーですね。
多くの場合、リース会社の金利は銀行よりはるかに高額です。
これは調べてもらえればわかります。
もちろん、銀行が「お金」という持ち運びも保管代も
ほとんどかからないものを扱っているのに、
リース屋さんはかなりの形があるものですから、違うわけです。
上記を勘案して「購入が得かリースが得か」を考えるのです。
基本的に、お金を準備できるなら「購入」できないなら「リース」が原則です。
これに、維持費を勘案して
維持費+銀行金利>リース手数料
ならリースにする、が経済合理性からの判断だと思います。
さらに難しいことを言うと、上記の
リース手数料ー銀行金利
が内製化のチャンス(粗利益アップ)なのです。
#これは相当難しいかな
これを読んだ人が理解するのに役立ってくれると幸いです。